==== 方針 ====  インド仏教の歴史を完全に理解し、それについての現状の研究成果をまとめる。毎回テーマを決めて、各自が調べてきて発表をする。独自の研究ではなく、あくまでこれまでの学問成果のまとめであり、同時にインド仏教全般についての知識を身に付けることである。基本的には三次資料を元にまとめるが、常に典拠は記す。また一次資料、二次資料のリストを作成する。 ==== 課題 ==== - 部派仏教の成立と主要な分派、それぞれの簡潔な特徴、説一切有部の諸論書の成立過程とそれぞれの特徴 - 初期大乗仏典の成立過程、年代、それらの経典の特徴、中期大乗仏典の成立過程 - ナーガールジュナの年代、著作(六理聚)とそれぞれの関係、サンスクリット語原典の有無、真作偽作問題、アーリヤデーヴァ『四百論』の構成とテキスト問題 - 『中論』の各章の話題と結論、『廻諍論』、『広破論』、『六十頌如理論』『空七十論』『ラトナーヴァリー』それぞれの内容の要約。 - ヴァスバンドゥの著作と成立順序、それぞれの特徴、アサンガの著作との関係、弥勒の五法の著者問題とそれぞれの特徴。 - 唯識三性説の説かれている著作と、三性説そのものの解説。識転変、八識説についての解説 - 『中観心論』の内容と現在の研究状況、その注釈、『般若灯論』およぴその注釈のテキストの問題 - チャンドラキールティの著作、チベット語訳の問題、自立論証と帰謬論証の相違、帰謬派たるチャンドラキールティの思想的特徴 - シャーンタラクシタとカマラシーラの中観関係著作とその思想、ジュニャーナガルバのテキストのとその思想的特徴 - 『入菩提行論』の梗概とテキストの諸問題(サンスクリット語原典、チベット語訳、漢訳) - ディグナーガの著作と現在のテキスト問題と研究の現状、『プラマーナ・サムッチャヤ』の構成 - ダルマキールティの著作とそれぞれの特徴、テキストの問題、研究の現状 - ダルマキールティ以降の仏教論理学の著作と歴史の概観 - 最後期インド仏教論理学の思想家たちとその著作、刹那滅論の展開、有形象知識論・無形象知識論の争点 ==== 参考文献 ==== - 『講座・大乗仏教』全10巻、春秋社 - 『岩波講座・東洋思想』第8巻〜第10巻、岩波書店 - 『シリーズ大乗仏教』全10巻、春秋社 - 平川彰『インド仏教史』春秋社 - 『新アジア仏教史』第1巻〜第3巻、佼成出版社 - 『梵語仏典の研究』3、論書篇、平楽寺書店 - 『梶山雄一著作集』全8巻、春秋社 ==== 『アビダルマ・サムッチャヤ』に基づく法の定義 ==== [[http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~b_kosha/html/index_75dharma.html|バウッダコーシャ]] の五位七十五法・百法について挙げられるサンスクリット語、漢訳、漢訳の読み、チベット語、定義を読む。